自宅にインターネットの環境を整えると、生活は格段に便利になります。
ただ、初めて光回線を利用する場合には、必ず『回線の引き込み工事』が必要となるのはご存じでしょうか?
いざ申し込みをしてみると、「開通工事までに1カ月もかかるの?」「工事費用ってこんなにかかるの?」など、回線工事に頭を悩まされた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんなネット回線を工事不要で利用する方法や、そのメリットデメリットについてお伝えしていきます。
目次
インターネット光回線は工事不要にできないの?
自宅で『光回線』を利用するためには、光コンセントやルーターの設置工事が必ず必要になってきます。
この光コンセントやルーターは、皆さんがお持ちのパソコンと、便利なインターネットの世界を繋ぐために欠かせない機器だからです。
具体的には、パソコンから発信される情報信号と、外に張り巡らされている光ファイバー網を通る情報信号は形式が違うので、変換する必要があるんです。
インターネットの世界を高速道路に例えるなら、こんな感じになります。
- インターネットの世界=高速道路
- プロバイダー=高速道路の入り口
- 光コンセント=ETC
- ルーター=ETCカード
インターネットの工事が必要な場合の注意点
初めてネット回線の工事を行う方は、いくつかの注意点があるので覚えておきましょう。
仕事でネットを使う場合やオンラインゲームや動画配信の視聴を考えている場合には、これらのデメリットを踏まえた上でも光回線を利用する方が、快適に高速インターネットを利用できるのでおすすめと言えるでしょう。
工事費用がかかる
およそ、光回線の工事費用は、約15,000円~30,000円かかると言われています。
申し込みする回線の種類にもよりますが、場合によっては高額になるケースもあるので注意が必要です。
もちろん、工事費用は分割で支払っていく方法も可能で、月々の支払いと合わせて払っていくことが可能です。ただ注意したいのは、途中で解約した場合には残債分を一括で払わないといけないので、計画的に支払い方法を選定しましょう。
申し込みから利用開始までに時間がかかる
申し込み時期により大きく変動しますが、約3週間~1カ月以上かかるケースもあります。
特に申し込みの多い、2月~4月、8月~9月は引っ越しシーズンと被ってしまうので、通常よりも工事業者の予約が取りづらく、予約が2カ月くらいかかってしまうケースもあります。
混雑時の申し込みを避けるか、なるべく早めに申し込みをすると良いでしょう。
また、回線工事が行われるまでは、当然インターネットも使えないので注意が必要です。
建物に穴開けなどの傷がつく
固定電話の電話線と同じと考えれば当たり前の事ですが、光回線の引き込みのため、外壁に穴開けやビス止めを行います。
また、自宅内の壁には、光コンセントの取り付けが必要ですので、必ず穴開け作業と言うのが必要になってきます。
新築のうちは傷を付けることに抵抗があるかもしれませんね。
事前に、引き込みの配管などの事を考えておくと良いでしょう。
建物の管理人に許可が必要になる
光回線の引き込み工事の際には穴開け作業があるので、引き込む家がご自身の持ち家で、ご自身の判断で穴開け等は問題がない建物であれば良いのですが、例えば、その物件がご自身で好きにできる持ち家ではなく借家や賃貸物件など、家主以外の別の方が管理人として管理している場合は、必ず管理人からの許可を取る必要が出てきます。
ほとんどの場合、引き込み工事でまず断られることは無いと思いますが、管理人の許可が出ないと引き込み工事を行う事はできませんので、『許可を取る事』が手間と感じる方もいるかもしれませんね。
稀に、許可は下りても『原状回復』を求められることがあります。
原状回復とは、文字通り手を加えても良いが賃貸物件に入居した時の綺麗な状態に戻す事が条件という事です。
つまり、開けた穴を塞ぐ必要が出てくる場合もあるので注意が必要です。
物理的にどうしても工事ができない事がある
例えば、配線工事の際に必ず建物にビス止めや穴開けが必要なのですが、おしゃれですが壁面の素材がコンクリート素材で打ちっ放しだったり、今は少ないと思いますが土で出来た壁や石材を使用した壁、極端に老朽化した壁だと、工事の穴開けの際に衝撃で外壁が、大きく破損し崩れてしまうと取り返しのつかない大変な事になる可能性があり、工事業者にどんなに頼んでも絶対に工事は行ってくれません。
また、大きな建物や小さな建物が所狭しと密集していたり、樹木が邪魔で、配線の引き込み工事が行えない場合もあります。
その他にも、物理的に回線の工事が行えない状況や、特殊な工事が必要で別途工事費用高くなってしまうケースもあるので注意が必要です。
インターネットが工事不要で使える人
ここまでネット回線には工事が必ず必要という話をしてきましたが、こんな話を聞くとネットの回線工事は面倒って思ってしまうのは当然ですよね。
ですが、中にはこの回線工事をしなくても、工事業者の訪問は無く、通信会社からルーターだけが送られてきて、ご自身でカチッと接続するだけでインターネットがすぐにご利用いただけます。
光回線の利用歴があり光コンセントがまだ使える状態にある方
このネット回線は、1度だけ引き込み工事を行っていれば大丈夫なので、その線を基本的には再利用することは可能になります。
『光コンセント』という、インターネットの差込口が、自宅の壁に設置されているかは一度確認してみましょう。
(稀にですが、光コンセントがちゃんと壁に設置されており、残っている場合でも、ネット回線を解約時に撤去してしまっている場合や、引き込んだ線が痛んでいる場合は、引き直しの工事っていうのがやっぱり必要になります。)
光回線の設備がすでに整っている建物にお住まいの方
マンションなどの集合住宅にお住いの方であれば(築年数の古いマンションは除きます)、建物自体に元からインターネット設備が整っています。
壁に光コンセントが設置されているので一度確認してみましょう。
引き込み工事のような大きな作業はなく、基本的に送られてきたルーターと光コンセントを接続するだけですぐに使えるようになります。
(建物に導入されている設備により、ネットの速度が変わってくるため、遅い場合があります。)
光回線を転用して使う場合
今使用しているネット回線の器はそのままで、他社回線サービスへそのままで契約だけ乗り換えを行います。
そのため、同じものを使うわけですから新たな工事などは必要なく、工事日まで時間がかかったりもないし、事務的な手続きのみで他社への乗り換えが可能。
光コラボのサービスは、携帯キャリア会社(ドコモやソフトバンク)やプロバイダー会社等が、今現在カバー率が90%もある、日本中に張り巡らされているNTTの光回線を借りて、自社のサービスとして1パッケージで提供するサービスの事です。
一例を上げると、プロバイダー会社で言うとソネット光やビッグローブ光、携帯キャリア会社で言うとソフトバンク光やドコモ光等々がそれに該当するのはもうお分かり頂けただろうか。
それ以外にも電気事業者などを始めとした公共機関も、個性を出した独自の特典を付けてサービス展開をし、提供しています。
そのため、光コラボのサービスと言うのは若干の料金メリットと付加サービスを受けられるのが最大の特徴です。
インターネットを工事不要で使う方法
安定してなおかつ高速で使える光回線にメリットは感じるけど、でもどうしても回線の引き込み工事はできない。という方も多いでしょう。
そういった方には、引き込み工事が不要で使える『ホームルーター』や『モバイルWi-Fi』を使ってインターネットをする方法がおすすめです!
有名なものを上げると、下記などがあります。
- WiMAX HOME 02
- WiMAX Speed Wi-Fi HOME L02
- SoftBankAir ターミナル4
- カシモWiMAX
- UQ WiMAX
- BIGLOBE WiMAX2
ホームルーターとは、有線接続の光回線とは違い、ホームルーター自体が直接『電波』を受信することで、ご自宅のコンセントを差し込むだけでインターネット接続を可能にしたネット接続機器です。
インターネットの工事不要!ホームルーターのメリットとデメリット
では、ホームルーターを使うとどうなるのかを見ていきましょう。
メリット
ネット回線の引き込み工事が不要
工事業者の対応や立ち合いで時間が取られることがありません。
また、自宅の壁に引き込み穴を開けたり、光コンセントを取り付けたりする必要がありません。
もちろん、工事の費用も掛かりません。
直ぐに使える
申し込み契約後、ホームルーターを受け取り、自宅のコンセントに繋ぐだけです。工事業者に工事をしてもらう必要がないため、すぐにご利用できます。
また、引っ越しや単身赴任先でも簡単に接続ができます。
接続が簡単
ホームルーターに記載されているSSIDとパスワードを、利用したい端末に入力するだけでインターネットを利用できるのため、誰でも簡単に接続がすることができます。
デメリット
通信速度が安定しない
お住いの構造、ホームルーターの設置場所、お住いの地域等…電波を受信して使う以上、電波を受信できる最適な環境でなければ、著しい通信速度の低下につながることもあります。
解約期間が長い
月額の料金は抑えられているものの、端末自体の料金が高額で、長い契約期間が設けられていたり、その解約時に高額な費用が発生することがある。
インターネットの工事不要!モバイルWi-Fiのメリットとデメリット
インターネットをアクティブに使いたいという方は、モバイルWi-Fiがおすすめです。
メリット
どこにでも持ち運べる
モバイルWi-Fiの大きな特徴としては、そのサイズ感です。
携帯電話程の小さいサイズのため、家の中はもちろん、外出先に持ち歩く場合でも邪魔になりません。
すぐに使えて、設定が簡単
ホームルーターと同様、工事は不要だし、充電さえしてあれば、電源を入れたらすぐに使えます。
接続方法も、表示されているSSIDとパスワードを、利用したい端末に入力するだけでインターネットに接続ができる、簡単な仕組みとなっています。
デメリット
通信速度が安定しない
無線のネット回線全般に言えることですが、電波の受信状況により、通信速度が著しく低下する場合があります。
速度制限がある
ほぼすべてのモバイルWi-Fiに速度制限が付いています。
ネットのヘビーユーザーに関しては、機種選びの際に重視しないといけない項目です。
充電が必要
バッテリーで動いているので、必ず充電が必要になります。
毎日欠かさず充電する必要があったり、モバイルバッテリーを合わせて携帯する必要があるため、それが煩わしく思えるかもしれませんね。
バッテリーの劣化
長く使えば使うほど、充電を繰り返せば繰り返すほど、バッテリーは劣化していきます。
充電時間が長くなったり、バッテリーの消費が速くなったり、またはバッテリー交換費用がかかってきたりします。
インターネットの工事が必要な光回線を使うメリットとデメリット
ホームルーターやモバイルWi-Fiは非常に簡単で便利です。
ただ実際に使ってみると、その通信速度の遅さが気になってしまう方も多いかもしれません。
そんな方には、回線の工事は必要だけど、やっぱり固定回線の光回線を使ってみることをおすすめします。
メリット
通信速度が安定している
例え、田舎の山奥だったとしても、光回線の引き込み工事自体が問題なく行えれば、有線接続ならではの安定した高速通信が可能となります。
汎用性が利く
光回線であれば、電気やガスなど様々なサービスとの提携があり、お得に利用することも可能。契約期間も2年の物が多く、時代の流れに対応しやすい。
デメリット
回線の引き込み工事がある
自宅の壁に引き込みのために穴を開ける必要があったり、申し込みから工事まで最低でも2週間、長いと1カ月以上先になる場合もある。また、工事日を迎えたとしても、建物の状況により物理的に光回線の引き込み工事が行えない場合もある。
速度が時間により不安定になる
マンションの設備を使う場合、回線をマンションに住んでいる世帯で共同利用するため、時間によりアクセスが集中し、速度遅延が発生する場合がある。
インターネットの工事不要なホームルーターやモバイルWi-Fiを選ぶポイント
さあ後は自分に合ったルーターを選ぶだけ!とはいえ、多くの提供会社や機種があるので、どれを選べば良いか迷いますよね?
何を基準に選べば良いか、ポイントをまとめたので参考にしてみて下さい。
月額の料金
一番大切なのがこの毎月発生する月額料金です。
もちろん、安いに越したことはありません。
各会社で価格競争をしているので、月額料金の安い会社を探すのは大切です。
しかし当然のことながら、新しく性能が良い物は料金が高く、古い機種になれば性能も劣るので安くなります。
自分の利用頻度と照らし合わせて、適切な機種の最安値を探すと良いでしょう。
申し込みキャンペーンがお得
一番楽しみですよね。
多くの会社では、申し込みをする時になんらかの特典を受けられます。
キャンペーンの内容も各社試行錯誤しており様々ですが、会社選びで月額料金の次に重点を置いても良いでしょう。
例えば、下記のようなキャンペーンが一般的で、多くの企業が行っています。
- 新規申し込みで◯万円キャッシュバック
- 初期費用、手数料0円
- 携帯電話のセット割引
月額料金と申し込みキャンペーンを合わせて、他社比較を行うと良いでしょう。
なぜなら、これはたった一度きりしか受けられない特典であって、メリットの小さい申し込みキャンペーンに惑わされて、月額料金の高い会社に申し込むことのないように注意が必要です。
通信速度が速い
あなたは、使えないモバイルWi-Fiに、2年間も月額料金を払い続けることができますか?
ほとんどの方がNOと答えるでしょう。
この『使えない』と言うのはインターネットを快適に使えないという意味で、快適に使えないというのは、通信速度が遅い事で、実際に通信速度が遅いとどうなるのか?
- データファイルのやり取りに時間がかかる
- 再生中の動画が止まってしまって、読み込みに時間がかかる
- サクッと調べものをしたいのに、1ページを開くまでに時間がかかってしまい、なかなか進めない
すなわち、こういった通信速度が遅い回線を選んでしまうと、せっかくのポケットWi-Fiも価値がなくなってしまうわけです。
極端なお話をしましたが、それだけ通信速度と言うのは重要という事になります。
必ず、利用端末の通信速度が速い(数値が高い)ものを選ぶようにしましょう。
サポートが充実
こういったルーターは精密機械です。
ふとした拍子に故障してしまったり、コンパクトで持ち運びに便利なモバイルWi-Fiも紛失してしまったりすることもあるでしょう。
そういった時の対応は各社異なってきます。
紛失してしまったり、壊れてしまった時に、無償で提供や交換をしてくれるサービスもあります。
こういったサポートが私たちユーザーにとって充実していると、万が一の時に安心ですよね。
会社を選ぶ際には重要なポイントになります。
まとめ:インターネットが工事不要で使えるおすすめ端末!選ぶ時の注意点は?
ネット回線の工事をせずにインターネットを使いたいのであれば、工事が不要な『ホームルーター』か『モバイルWi-Fi』がおすすめです!
ただし、そのメリットとデメリットをしっかり理解し、ご自身の使用用途に合わせて、ホームルーターにするのか、モバイルWi-Fiにするのか、はたまた光回線にするのかを選ぶのが大切なポイントとなります。
一度契約すると、2年~3年の契約期間があったり、途中解約には高額な解約金がかかるケースもあるので、焦らずしっかりと比較したうえで契約しましょう!